ANAとJALの旅行積立を徹底比較(どちらが有利?キャンペーンはお得?)

月々一定の額を積み立てて満期になればサービス額が上乗せされる積立サービスはANAもJALも提供しています。これらの旅行積立は年利が3%で利回りがお得ですよというのが売りになっています。ANAもJALも旅行積立サービスにはいくつかのコースがあります。ANAとJALでは旅行積立サービスにおいて差があるのか、どちらが有利なのか、どのコースが有利なのか、年利は本当に3%なのか、キャンペーンはお得なのかなどを検討し、私が実際に利用して感じたことを交えてまとめてみました。

積立とは?

積立とは本来は「月々一定の決まった金額をあらかじめ決められた期間預けていく」というものです。そして、その金額や期間の長さに応じて満期時にサービス額が上乗せされ戻ってきます。デパートが「友の会」としてこういうサービスをしているのを聞いたことがあると思います。銀行に預けても雀の涙ほどの利息しか付かない低金利の現在においては、必ずこのサービスを使うと決まっているのであればお得なサービスだと思います。

旅行積立とは?

旅行積立とは大手旅行代理店や航空会社が提供しているサービスです。旅行積立は1.75%3%と利回りがお得なのですが、積立金を満期時に現金で受け取ることができず旅行券として受け取ることになります。

航空会社の旅行積立サービス

ANAもJALも旅行積立サービスを行っています。それぞれのリンクは以下の通りです

ANA旅行積立プラン

JAL旅行積立 たびつみ

旅行積立のメリット

高い利率

旅行積立の満期時に上乗せされるサービス額は年利換算すると3%と銀行の金利に比べるとかなりお得です。

旅行資金を確実に貯められる

旅行のためと思ってせっかく貯金しても、つい他の物を買ったりしてしまいませんか?旅行資金はどうしても二の次になりがちなのは私だけでないはずです。旅行積立なら旅行にしか使えないので無理なく旅行資金を貯めることができます。

旅行積立のデメリット

積立先の倒産

旅行積立は旅行会社や航空会社にお金を預けることになるので、万が一倒産した場合は積み立てた旅行資金が戻ってこないリスクがあります。預け入れの期間が短い場合は大手の会社であればリスクはそれほど高くないと思いますが、利率やサービス内容だけでなく信用度も考慮に入れた方がいいかもしれません。ちなみにJAL破綻時は積立金は保証されました。

旅行にしか使えない

もし資金繰りに困っても貯金の場合は他の用途に使えますが、旅行積立の場合は旅行にしか使えません。

途中解約は損をする

旅行積立は積立期間の途中で解約できても、返金は現金でなく旅行券となることが多いです。また、最低支払回数に満たないとサービス額が加算されなかったり、旅行券の券面金額が支払った金額を下回ったりする場合があるので念のため申し込み前に確認しておきましょう。

旅行券の有効期限がある

ANAは5年、JALは10年と旅行券の有効期限があります。ANAは期間が短いので旅行券の使用目的をある程度明確にして積立開始した方がいいかもしれません。

支払い場所が限られている

航空券や旅行代金の支払いをする場合、空港カウンターなど限られた場所に行く、あるいは旅行券を宅配便や郵送で送らなくてはいけません。またインターネット上での支払いには利用できません。

旅行券は何に使えるのか?

旅行積立は満期となった金額を旅行券で受け取ります。ANAおよびJAL旅行券の利用可能なのは下記の通りです。

ANA旅行券

海外旅行ツアー(ANAハローツアー・旅作など)
国内旅行ツアー(ANAスカイホリデー・旅作など)
国際線航空券
国内線航空券
IHGANA・ホテルズグループジャパンなどのホテル
ニッポンレンタカー
ゴルフ(早来カントリー倶楽部・武蔵の杜カントリークラブ)
機内販売・空港売店・空港免税店での買い物
快速宅空便

JAL旅行券

国内線航空券
国際線航空券
JALパック国内・海外ツアー
JTAPツアー(国内ツアー)
機内販売品
JAL免税品
ホテル(ホテルニッコー & JALシティ、オークラ ホテルズ & リゾーツでの宿泊や飲食)
JALロゴ商品・旅行用品
空港宅配
レンタルモバイルサービス
コート・手荷物預かりサービス
空港店舗(BLUE SKYCoralway
温泉マイル提携施設

どちらも航空券や旅行商品を中心としており似ていますね。個人的にちょっと気になっているのは航空券+宿泊がセットになったいわゆるダイナミックパッケージの取り扱いです。ANA「旅作」はANA旅行券で支払い可能なのですが、JAL「JALダイナミックパッケージ」は国内・国外ともにJAL旅行券での支払いはできません。

旅行積立のコースは3種類

ANAJALともに3つの積立コースがあります

毎月払いコース

一時払いコース

一時払い6カ月満期コース

 

どのコースがお得なのか?

ではそれぞれのコースをチェックしてどのコースがお得なのか考えてみましょう

毎月払いコースはサービス額率が下がる

毎月払いコースを考えてみましょう。12か月積立で満期時に100万円の旅行券を受け取ると仮定します。

ANAでシミュレーションをすると

JALでシミュレーションをすると

 

ANAもJALも12か月で100万円満期の場合はサービス額は15988円となります。つまり1.6%にしかなりません

 実は毎月払いコースの場合は「単利月数計算」になるので、実際のサービス額は3%にならないのです。

一時払いコースの実質年利は長期では実はANAとJALで差がある

同じ12か月100万満期で一時払いコースの場合はANAもJALも29126円となりサービス額は3%になります。下のANAとJALでのシミュレーションの青で囲った部分をご覧ください。

しかし、一時払いコースも12ヶ月を超えた積立だとサービス額は3%になりません。例えば60か月100万円満期で一時払いコースの場合はANAの場合は下のシミュレーションの赤四角で囲った部分のようにサービス額は101123円となり、サービス額は2.25%に下がるのです。

ANAのシミュレーションです。

しかし下に示すようにJALの場合、12か月だとサービス額はANAと同じ29126円なのですが、18か月以降を比べてみると青で囲った部分のようにJALの方がサービス額が高くなっているのが分かると思います。

JALのシミュレーションです。

例えば60か月100万円満期で一時払いコースの場合はANAの場合はサービス額は101123円となりサービス額は年利換算で2.25%ですが、JALの場合は下に示すように115044円となり年利換算で2.6%となります。

 JALの場合は長期間の積み立て時のサービス額率ががANAより高くなっているのです!

一時払い6カ月満期コースは?

ちなみに一時払い6カ月満期コースはサービス額5%とありますが、6か月しか預けられないので年利にすると半分の2.5%です。ですのであまりメリットはないと思います。

サービス率を最大限にできるのは?

サービス率を最大限にできる最もお得なケースは
コース:一時払いコース
積立期間:12ヶ月
そして長期間の積立の場合はJALの方が有利ということになります

キャンペーンをうまく利用して積立を始めるとお得

ANAもJALも旅行積立についてのキャンペーンをしばしば行っています。後で述べますがキャンペーンがなければ旅行積立はそれほどお得感がなく、僕はキャンペーンの時にしか旅行積立は申し込みません!

ANAは旅行券が追加、ハワイは利率優遇

ANAは旅行券が追加される

ANAのキャンペーンは旅行券が追加というパターンです。

10万円以上の契約で満期額の1%相当(10万円毎に1000円)のANA旅行券が上乗せになることが多いです。

以前は上記のような満期額の2%相当(10万円毎に2000円)のキャンペーンも見られましたが最近は1%が多いようです。2%相当のキャンペーンがあれば前向きに検討してもよさそうです。

僕が申し込んだ時のメールです。赤四角で囲ったように満期額の1%相当(10万円毎に1000円)の旅行券プレゼントと記載されています。

10万円につき1000円分のボーナスがつくので97088円を一括払いすると1年後に101000円分のANA旅行券がもらえます。年利に換算すると4.03%に相当します!

下のメールのように満期のお知らせが来た時に赤四角で囲ったボーナス分の旅行券額がきちんと表示されています

ANA旅行券はニッポンレンタカーやIHGホテルで利用できるので僕は航空券の購入というよりはそちらで使用するためにANA旅行積立を毎年利用しています。

毎年6月下旬から告知されるのでそろそろ夏のキャンペーンが行われるのではないでしょうか?

ハワイは利率優遇

ちなみにANAはA380 就航予定のためハワイに力を入れています。

ANA旅行積立にもハワイ限定プランが登場しており、年利が3.8%と通常プランより優遇されています。ANAでハワイ旅行を考えている方は考えてみてもいいかもしれません。

JALはボーナスマイルが貯まる

JALはボーナスマイルが貯まるキャンペーンです。

昨年末にこのようなキャンペーンがあり申し込んでみました。さすがに100万円を一時払いできる余裕はありませんので5年間60回払いにしました。

この時のキャンペーンではボーナスマイルが満期旅行券1000円につき3マイル、さらに満期旅行券の額面に応じてさらに加算されるというものでした。それにJALカードを利用して毎月支払うのでショッピングマイルが貯まります。私はショッピングマイルプレミアムに加入しているためJALカードで支払うと100円につき1マイル獲得できます。

つまり、キャンペーン中に契約を行うとJALカードマイル+ボーナスマイル+サービス額をゲットすることができお得度が増します

私が以前申し込んだキャンペーンでは以下のマイルがもらえることになります。

JALカードマイル

月々の支払いは15663円なので毎月156マイルです。60回払いなので156×60=9360マイル

ボーナスマイル

満期旅行券1000円につき3マイルなので3000マイル、満期旅行券100万円以上で2500マイルなので合計5500マイル

合計すると14860マイルになります。このように申し込んで1か月以内にボーナスマイル5500マイルは付与されていました!

またサービス額率を考えてみましょう。

旅行券のサービス額は60220円となりますので年利換算で1.28%となります。ボーナスマイルがなければあんまりお得感がないなぁというのが正直なところです。キャンペーン以外で申し込むのは個人的にはあまりオススメできるものではありません…

この時はボーナスマイルが通常より大きかったこと、JALの旅行券は10年間有効なので子供が大きくなったら1回ハワイに行こうと思っていることから僕の場合はJALの旅行積立を始めてみました。またJGC修行をしたくなった時にも有用かもしれません(笑)。こちらはまだ旅行券を実際に利用したことはありませんので実際に支払う段階になるといろいろ見えてくるかもしれません。

ちなみにJAL旅行積立の現在のキャンペーンは以下のようなものです。

満期旅行券が30万円以上で800マイル、60万円以上で2000マイル、100万円以上で4000マイルというものです。2018年7月31日まで行われています。

結局旅行積立サービスってお得なのだろうか?

先ほどのJAL旅行積立100万円満期60か月毎月払いのケースで考えてみましょう。旅行券のサービス額は60220円と年利換算で1.28%となります。クレジットカードで航空券や旅行商品を購入した場合でも1%程度の還元は見込めますし、それ以上に還元率の高いクレジットカードもありますのでこの条件だとそれほどお得とはいい難いと思います。

うまくキャンペーンを利用するなどして還元率やボーナスマイルを増えるようにする、3%あるいはそれ以上の還元が見込めるプランで申し込むなどよく考えて申し込まないとお得になりません。

旅行積立を始める時は適当に申し込むのではなく、キャンペーンを利用したり、いつ何に使うかといった目的をある程度明確にして申し込まないとだめだなぁと改めて思いました。

そして何と言っても旅行券の使い勝手が悪すぎます…株主優待券などのようにコードなどを入力すればWEB上での購入でも使えるようになりませんかね。っていうか積立が広まらないようにわざと使いにくくしているようにしか思えません(笑)

最後に

ANAとJALの旅行積立サービスは「年利3%」と宣伝されていますが3%を満たす条件は限られています。普通にカード払いで航空券や旅行商品を購入してもそれなりに還元があるので、ANAやJALの旅行積立を利用するならば、最大限サービス額が付与されるような方法にする、うまくキャンペーンを活用するなどしなければ、それほどお得とは言えないと思います。ANAやJALの旅行積立を始めるならよく考えてキャンペーンを待って始めるのがいいと思います。

おすすめの記事